気付いたら23歳(遠い目
「はじめまして。」
長机の斜向かいに座り、軽く会釈して微笑した彼は「ベルセリオス」と名乗った。多分、その時に交わした言葉は殆んどなくて私の方は名乗り損ねたぐらいだったけれど、今でも彼の容姿については何故か良く憶えている。ゆで卵を剥いたような肌に大きく丸い瞳が柔らかく光っていて、鮮やかな紅紫の髪が豊かに伸びていたのだった。後姿しか知らない彼に対して、私が一体どんな想像をしていたのかは今となっては記憶にないが、多分、思い描いていた勝手な彼のイメージと大きく隔たっていたから記憶に残ったのだと思う。
彼への興味はその日から一層増した。興味に特に理由があるはずもないけれど、敢えて言うなら彼は一種独特の雰囲気を持っていて、とにかく私は気になったのだ。多分親しくなれるような予感もしたのだろう。しかし、私は昔から人付き合いに積極的な性格ではなかったから、自分から彼に話しかけるようなことは出来なかったし、彼は勿論今まで通り静かに日々を過ごしていた。偶然が一度あったのだから、きっともう一度あるだろう。そう思って私は、次の偶然を彼の後ろ姿を毎朝確認しながら待っていた。
続く
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ディムロス視点。
カー君は下宿学生でディムロスは地元在住。
彼はいつも早く来て、日当たりの良い窓際の前の方の席を取っていた。たまに私が早く来た時は、彼が一番で私が二番目だった。選択科目も重なっていたようで、いつからだったか彼の背中を確認する所から私の一日は始まった。
今考えると可笑しな話なのだけれど、彼の存在を認識してから暫く、私は彼の顔を知らなかった。彼は一番早く来て熱心に無味乾燥な講義に耳を傾け、丁寧にノートを纏めたりしてから一番最後に教室を出ていたから、その二列ほど後方でそこそこ真面目に講義を聞き、さっさと教室を後にする私は彼の背中しか見たことがなかった。結局彼の顔を初めて見たのは、実技講義で11式小銃を分解して組立て直す作業を二人一組でやった時だったと思う。作業室に来た順番に番号を振られたから、私は彼と組む事になった。
続く。
カー君は下宿学生でディムロスは地元在住。
彼はいつも早く来て、日当たりの良い窓際の前の方の席を取っていた。たまに私が早く来た時は、彼が一番で私が二番目だった。選択科目も重なっていたようで、いつからだったか彼の背中を確認する所から私の一日は始まった。
今考えると可笑しな話なのだけれど、彼の存在を認識してから暫く、私は彼の顔を知らなかった。彼は一番早く来て熱心に無味乾燥な講義に耳を傾け、丁寧にノートを纏めたりしてから一番最後に教室を出ていたから、その二列ほど後方でそこそこ真面目に講義を聞き、さっさと教室を後にする私は彼の背中しか見たことがなかった。結局彼の顔を初めて見たのは、実技講義で11式小銃を分解して組立て直す作業を二人一組でやった時だったと思う。作業室に来た順番に番号を振られたから、私は彼と組む事になった。
続く。
走って走って、
廊下ですれ違った部下に怪訝な顔をされて、
それでもまだ走って、
足音以上に胸の鼓動がうるさくて、
部屋の前に来た時は息が切れていて、
彼が無事に帰ったのが嬉しくて、
すぐ会いたくて、
でも、急いで走って来たなんて恥ずかしいから
会いたかったなんて可愛く甘えたり出来ないから
ホッとした笑顔が零れてしまいそうな、頼りない口元を引き締めて
私は貴方とドア一枚隔てたまま、大きく一度深呼吸。
突発。
乙女イクティ。(笑)
扉の向こうはカーレルかな?
筆者は独り身になって以来、また乙女路線が強まり気味です。(笑)
廊下ですれ違った部下に怪訝な顔をされて、
それでもまだ走って、
足音以上に胸の鼓動がうるさくて、
部屋の前に来た時は息が切れていて、
彼が無事に帰ったのが嬉しくて、
すぐ会いたくて、
でも、急いで走って来たなんて恥ずかしいから
会いたかったなんて可愛く甘えたり出来ないから
ホッとした笑顔が零れてしまいそうな、頼りない口元を引き締めて
私は貴方とドア一枚隔てたまま、大きく一度深呼吸。
突発。
乙女イクティ。(笑)
扉の向こうはカーレルかな?
筆者は独り身になって以来、また乙女路線が強まり気味です。(笑)
筆不精でごめんなさい。
三角関係の末に振られてしまったマコです。
22日から23日の深夜のことでした。
あー、あははははーっ。
良いさ、良いさ、恋愛なーんて止めてやるー。
意外なくらい元気な自分にびっくり。
三角関係の末に振られてしまったマコです。
22日から23日の深夜のことでした。
あー、あははははーっ。
良いさ、良いさ、恋愛なーんて止めてやるー。
意外なくらい元気な自分にびっくり。