気付いたら23歳(遠い目
年中マナーモードの携帯がピカピカ光る。
ちなみに俺のはバイブもオフ。
メールかな?
FROM:隆昭
題名:うへー
何か良く分からん。
手短過ぎて俺も何も分からんぞ、おい。
親しい芝居仲間、から来たメールに苦笑する。
どうした?としか返事できない。
こんなメールばっか送ってくるんだ、こいつは。
同中の奴(前話したよね?)が飯誘ってきて、
何か今回二人っきりみたいでさ、
まぁ、公演近くて忙しいしって言ったらね、
「お前の顔が見たくなった」とか言いだしてんの。
もー、訳分かんねー。
隆昭の文章を読むと、声が聞こえてきそうになる。
ま、実際、あいつメール打つときぶつぶつ言いながらだけど。
「同中の奴」は先日から隆昭を口説こうとしてる。
この前は何人かでプチ同窓会をしたそうだ。
その席でかなり思わせぶりな台詞を吐いたとか。
それから半月、少し手が早いんじゃないかねぇー?
「好かれてんね」と笑ったら「えー、そーなのかな?」と顔をしかめてた。
実際、隆昭は可愛い感じのする少年で、何だかハムスターやリスみたいなのに似てる。
守備範囲が広めな男なら普通に射程範囲なんじゃなかろうか。
乗り気な訳あるか。
乗り気なら止めないけど、話が進んじゃう前に離れた方が良いよ、と送ったら、この返事。
そーね、隆昭はホモが嫌いだから。
多分自分が対象になるって分かってんだよね。
どこまで自覚してるか分からないけど。
でも、人懐っこい割に警戒は強い。
恋愛関係の話とか普段全然しないし、男友達も少ないし。
まっ、友達自体あんま多くないけど。
あー、でも、何故か俺は両方当て嵌まらないな。
俺、他校の生徒で芝居仲間、男。
恋愛関係の面倒な話を聞いてやる担当。
彼女でも作ったらそういうの減るんじゃない?と送る。
返信はすぐ来た。
彼はメールを打つのが早い。
女とか面倒臭くて嫌い。
男も嫌いだけど。
ってか、またメール来た。
あからさまにアピってくんの困るよね。
もう返事してやらねー。
同中の彼が若干哀れだなぁ。
てか、男も女も嫌いなのか、難儀な性格だ。
その割に俺には懐いてくれますね。
高校違うからあんま会う機会ないのに、なんか仲良くなれちゃったし。
良くメールくれるし。
俺も嫌いか?(笑)、と送りながらカレンダーを見る。
隆昭の次の公演は来月頭。
何か、今回は良い役らしい。
嫌い。
意地悪いし、口煩いし、人の話てきとーに聞いてるし、急にメール切るし。
嫌いだってさ、可愛い奴。
一つため息をついて、携帯を置く。
ご要望にお答えして、切ってしまおう。
それに怒る隆昭がまた面白いから。
と、思っていたら携帯が光る。
バカ俊。
今、切ろうとしただろ。
お前の考えなんて分かってんだよ、ばーか。
あっ、来月の芝居見に来いよ。
じゃな。
分かってる、ね。
馬鹿はどっちなんだか。
「まっ、俺は気長に攻めるよ」と呟いて
俺は隆昭の公演までの日にちを数えた。
あとがき
メールってのをテーマにしてみたのです。
内容は王道チックに。
ちなみに俺のはバイブもオフ。
メールかな?
FROM:隆昭
題名:うへー
何か良く分からん。
手短過ぎて俺も何も分からんぞ、おい。
親しい芝居仲間、から来たメールに苦笑する。
どうした?としか返事できない。
こんなメールばっか送ってくるんだ、こいつは。
同中の奴(前話したよね?)が飯誘ってきて、
何か今回二人っきりみたいでさ、
まぁ、公演近くて忙しいしって言ったらね、
「お前の顔が見たくなった」とか言いだしてんの。
もー、訳分かんねー。
隆昭の文章を読むと、声が聞こえてきそうになる。
ま、実際、あいつメール打つときぶつぶつ言いながらだけど。
「同中の奴」は先日から隆昭を口説こうとしてる。
この前は何人かでプチ同窓会をしたそうだ。
その席でかなり思わせぶりな台詞を吐いたとか。
それから半月、少し手が早いんじゃないかねぇー?
「好かれてんね」と笑ったら「えー、そーなのかな?」と顔をしかめてた。
実際、隆昭は可愛い感じのする少年で、何だかハムスターやリスみたいなのに似てる。
守備範囲が広めな男なら普通に射程範囲なんじゃなかろうか。
乗り気な訳あるか。
乗り気なら止めないけど、話が進んじゃう前に離れた方が良いよ、と送ったら、この返事。
そーね、隆昭はホモが嫌いだから。
多分自分が対象になるって分かってんだよね。
どこまで自覚してるか分からないけど。
でも、人懐っこい割に警戒は強い。
恋愛関係の話とか普段全然しないし、男友達も少ないし。
まっ、友達自体あんま多くないけど。
あー、でも、何故か俺は両方当て嵌まらないな。
俺、他校の生徒で芝居仲間、男。
恋愛関係の面倒な話を聞いてやる担当。
彼女でも作ったらそういうの減るんじゃない?と送る。
返信はすぐ来た。
彼はメールを打つのが早い。
女とか面倒臭くて嫌い。
男も嫌いだけど。
ってか、またメール来た。
あからさまにアピってくんの困るよね。
もう返事してやらねー。
同中の彼が若干哀れだなぁ。
てか、男も女も嫌いなのか、難儀な性格だ。
その割に俺には懐いてくれますね。
高校違うからあんま会う機会ないのに、なんか仲良くなれちゃったし。
良くメールくれるし。
俺も嫌いか?(笑)、と送りながらカレンダーを見る。
隆昭の次の公演は来月頭。
何か、今回は良い役らしい。
嫌い。
意地悪いし、口煩いし、人の話てきとーに聞いてるし、急にメール切るし。
嫌いだってさ、可愛い奴。
一つため息をついて、携帯を置く。
ご要望にお答えして、切ってしまおう。
それに怒る隆昭がまた面白いから。
と、思っていたら携帯が光る。
バカ俊。
今、切ろうとしただろ。
お前の考えなんて分かってんだよ、ばーか。
あっ、来月の芝居見に来いよ。
じゃな。
分かってる、ね。
馬鹿はどっちなんだか。
「まっ、俺は気長に攻めるよ」と呟いて
俺は隆昭の公演までの日にちを数えた。
あとがき
メールってのをテーマにしてみたのです。
内容は王道チックに。
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