気付いたら23歳(遠い目
一学期のテストが迫る6月。士官学校という厳しい名前がついているものの、学校であることには変わりなく、教科書のページで試験範囲が指定され、それぞれが山を張り始めたものだった。何だか高校時代と変わらなくて調子が狂った。実際、あの試験が役に立ったかと考えてみると大分と怪しいものがある。しかし、試験がなければ勉強しない人もいるようだから仕方ないかも知れない。私も、どちらかと言えばそういう種類の学生だったと思う。
「参謀本部制度の父。」
「えーと、モルトケ。」
「南北戦争における南軍の司令官。」
「・・・グラント?いや、リー?」
「どっちですか?」
「んー・・・。」
「どっち?」
「リー?」
「自信がないと顔に出ますね。」
「・・・正解は?」
「良い勘です。正解。」
「当てずっぽうで悪かったな。」
「正解は正解。兵は勝つを尊ぶ、ですよ。」
「孫子。」
「良く出来ました。」
一緒に試験勉強をしようと言いだしたのは彼の方だった。放課後に教室に残り、互いに問題を出し合った。いつも真面目に授業を受けているだけあって、彼は試験勉強が要らないくらい良く出来て、お陰で教えてもらう感じになってしまっていた。
「参謀本部制度の父。」
「えーと、モルトケ。」
「南北戦争における南軍の司令官。」
「・・・グラント?いや、リー?」
「どっちですか?」
「んー・・・。」
「どっち?」
「リー?」
「自信がないと顔に出ますね。」
「・・・正解は?」
「良い勘です。正解。」
「当てずっぽうで悪かったな。」
「正解は正解。兵は勝つを尊ぶ、ですよ。」
「孫子。」
「良く出来ました。」
一緒に試験勉強をしようと言いだしたのは彼の方だった。放課後に教室に残り、互いに問題を出し合った。いつも真面目に授業を受けているだけあって、彼は試験勉強が要らないくらい良く出来て、お陰で教えてもらう感じになってしまっていた。
PR
コメントを書く