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気付いたら23歳(遠い目
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翌日私が教室に行くと彼は振り向いて、おはよう、と二列後ろの私に声をかけてくれた。私も挨拶を返すと、彼は読書に戻った。何日かこんな朝の挨拶が続いた。おはよう、と私から挨拶することもあった。もう二言三言くらい他愛ないようなことを話すこともあったけれど、私達が言葉を交わすのは朝の数分二人きりの時だけだった。 

「あ、そういえば。」
「ん?」
「名前・・・。」
「名前、ですか?」
「私の。」
「あぁ、アナタの。」
「言ってなかったな、と。」
「ディムロス=ティンバーでしょう?」
「・・・!?」
「カーレルです。」
「?」
「ファーストネーム、私の。」 

少しずつ親しくなるのだけれど彼は不思議さを失わなかった。ファーストネームをわざわざ教えたのは呼べと言うことだろうか、と彼の一挙一動に関して私は相変わらず考察せざるをえず、しかも考えても結局彼が何を考えているのかはいつも分からずじまいだった。
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